易経占い入門講座 その2 占い方カンタン解説!実践編!

 さて、前回は「易経占い入門講座 その1 占い方カンタン解説!準備編」でした。

易経占いを実際にやってみるにあたって、必要な準備を私は解説しました。

今日はいよいよ、実際に三枚の硬貨を放り、易経の表象である「卦(Hexagram)」を確定するところまで解説したいと思います。

三枚の硬貨を放る!

それでは、みなさん、お手元に筆記用具(紙とペン)をご用意ください。


前回、みなさんは布を準備しました。

それを、シワを伸ばして机の上に広げてください。

塩で洗った三枚の硬貨を、まずは布の上において、深呼吸!

目を閉じて、なにを知りたいか?をよく考えて下さい。

集中できていますか?

なにを問いたいか、はっきりしてきましたか?

それでは、両手で三枚の硬貨を包み込むように持ち、布から、30センチくらいの高さに上げてください。

両手を開き、三枚の硬貨を布の上に自然に落とします!

図解すると、こんな感じです。

コインは30センチくらいの高さから、自然に「落とす」ように下に放ります。
三枚の硬貨は30センチくらいの高さから、自然に「落とす」。「投げる」のではありません。自然に落とします。

さあ、三枚の硬貨は、表・裏がどんなふうに出ているでしょうか・・・?

硬貨が布からはみ出したり、机の下に落ちたりした場合、硬貨が静止するまで待って、それから確認します。

三枚の硬貨の表・裏の状況を、易経の記号「爻(こう=Line)」で記入しよう!

四つの易経記号

さて、硬貨三枚をこのようにして布に落とした場合、硬貨三枚の表・裏の出かたはどうなるでしょうか?

実は、三枚の硬貨の裏(the back)・表(the front)の状況は、4通りしかありません。


表(the front)+表(the front)+表(the front)

表(the front)+表(the front)+裏(the back)

表(the front)+裏(the back)+裏(the back)

裏(the back)+裏(the back)+裏(the back)


これだけです。

さて、易経では、この四つをそれぞれ表す、易経の記号「爻(こう=Line)」というものがあります。

この図を見てください。

易経記号「爻(こう)」は、四種類である。老陽は「陽」、老陰は「陰」として扱う。
易経記号「爻(Lines)」は、四種類である。老陽は「陽」、老陰は「陰」として扱う。


表(the front)+表(the front)+表(the front)

→老陰(old yin):易経記号(Line)は、「×」

表(the front)+表(the front)+裏(the back)

→陽(yang):易経記号(Line)は、「⚊」

表(the front)+裏(the back)+裏(the back)

→陰(yin):易経記号(Line)は、「⚋」

裏(the back)+裏(the back)+裏(the back)

→老陽(old yang):易経記号(Line)は、「□」

この四つの易経記号「爻(Lines)」は、大昔から易経占いにおいては使われてきた記号です。

簡単なので、覚えてしまうとよいでしょう。


爻(Lines)における注意点

「表(the front)+表(the front)+裏(the back)」

→陽(yang)

ならば、

表(the front)+表(the front)+表(the front)は、陽が三つですから、これが老陽(old yang)ではないか・・・?

と考える方がおられます。


しかし、易経の世界では、「表(the front)+表(the front)+表(the front)」は、陽(yang)の力が最大点に達したことを意味します。

これは今度は強い陰(yin)が発生した状況です。

そのため見かけ上は表(the front)=陽(yang)が最大でも、これはすでに陽(yang)の時間が終わったことを意味します。

強い力で陰(yin)が発生した、と易経では考えるのです。

だから、これは「老陰(old yin)」と呼ばれます。

最強の陰(yin)を意味します。


「裏(the back)+裏(the back)+裏(the back)」も、同様です。

陰(yin)が最大点に達していますから、強い力で陽(yang)が発生した状況です。

なのでこの場合は「老陽(old yang)」となります。


易経では、「老陰(old yin)」=陰(yin)、「老陽(old yang)」=陽(yang)として扱います。


この二つは、特別強いエネルギーをもっています。

この後、説明しますが、この二つは、「マーキングポイント」として出てきます。

そしてマーキングポイントを易経では「変爻(へんこう=Change)」と呼びます。

これも覚えておいてください。

硬貨三枚を6回落とし、今現在のあなたの表象を出そう!

あなたはだいたいのやり方はわかったと思います。

それでは、このあと、さらに5回、この作業をします。

そして、そのつど、出た表裏の内容を、易経記号「爻(Lines)」で記入していきます。

次のような感じで記入してみてください!

出た易経記号「爻(こう)」を、出た順で「下から」六個積み上げて、一つの「卦」が得られる。
硬貨三枚を六回落とす。出た結果は、易経記号「爻(Lines)」で記入する。出た順で「下から」六個積み上げると、一つの「卦(Hexagram)」が得られる。

一投目が一番下で、二頭目がその上・・・というふうに、爻(Line)を一つずつ「積み上げて」いくのです。

では、最初は易経記号「爻(Lines)」の書き方を参照しながら、合計6回、トライしてみましょう!

図にある例は、日本語で書かれていますから、自動翻訳でもわかるように下にも書いておきます。


硬貨三枚を6回落とし、表(the front)・裏(the back)が次のように出た。


1)表(the front)+表(the front)+裏(the back)

→易経記号は「⚊」

2)表(the front)+裏(the back)+裏(the back)

→易経記号は「⚋」

3)裏(the back)+裏(the back)+裏(the back)

→易経記号は「□」

4)表(the front)+裏(the back)+裏(the back)

→易経記号は「⚋」

5)表(the front)+裏(the back)+裏(the back)

→易経記号は「⚋」

6)表(the front)+裏(the back)+裏(the back)

→易経記号は「⚋」


以上の結果を、下から易経記号を積み上げて表記すると、次のような卦(Hexagram)となる。

6)⚋
5)⚋
4)⚋
3)□
2)⚋
1)⚊

「基本編1>易経64卦(The I Ching 64Hexagrams)照合ページ」で、これがどの卦(Hexagram)に該当するか、照合しよう!

今度は、この陰と陽の組み合わせの意味を確認します。

易経記号「爻(Lines)」が、下から6個積み上げられたものを、「卦(Hexagram)」といいます。

これは易経の用語です。

易経記号が、6個積み上がった「卦(Hexagram)」は、上の三つを「上卦(Upper trigram)」、下の三つを「下卦(Lower trigram)」といいます。

「基本編1>64卦照合ページ」を利用してみましょう。

このページは、上卦(Upper trigram)と下卦(Lower trigram)を照らし合わせて、あなたが出した卦(Hexagram)が64卦(Hexagrams)のどれに該当するかを探し出せる仕組みになっています。

「基本編1>64卦照合ページ」は、サイト最上部の「MENU」とサイドナビゲーションからいつでも見ることができます。

これで検索すると・・・上の例では、上卦(Upper trigram)は☷坤(こん:Kun)で、下卦(Lower trigram)は☲離(り:Li)です。

「基本編1>64卦照合ページ」で照合します。

照合表を使用すると、出た卦(Hexagram)の照合は簡単である。
照合表を使用すると、出た卦(Hexagram)の照合は簡単である。


結果となる卦(Hexagram)をクリックします。

結果となる卦(Hexagram)をクリックすれば、該当する説明ページにリンクする。
結果となる卦(Hexagram)をクリックすれば、該当する説明ページにリンクする。


この卦(Hexagram)=あなたの問いたいことの結果や見通しは、「明夷(めいい="Darkening of the Light")」という表象となります。

この64卦(Hexagrams)照合ページにおいては、該当する卦(Hexagram)をクリックすれば、それぞれの卦(Hexagram)の解説ページへとリンクが飛ぶ仕組みです。

卦(Hexagram)の解説ページの使い方

このブログでは、私が長年の経験を活かし、64卦(Hexagrams)と386爻(Lines)すべてに詳細な解説を作成しました。

これを使うことで、みなさんは手軽に易経占いを行うことができます。

ここで重要なお規則をみなさんにお伝えします。

先程、「老陽(old yang)」、「老陰(old yin)」の説明を書きました。

これらは、「変爻(へんこう=Change)」と呼ばれるものです。

これらは、エナジーの帯電を意味し、易経占いにおいてマーキングの役目をします。

易経占いは、この変爻(Change)の出方によって、あなたが参照する箇所が異なってきます。

簡単に説明すると、次のようになります。

1)老陽(Old yang)「□」、老陰(Old Yin)「×」が出ていない場合は、卦辞(Explanation of the Hexagram)を読んで判断する。

2)老陽(Old yang)「□」、老陰(Old Yin)「×」が一か所出ている場合は、出ている箇所の爻辞(Explanation of the Lines)を読んで判断する。

3)老陽(Old yang)「□」、老陰(Old Yin)「×」が複数個所出ている場合は、占いは最初からやり直し。


今回の例の場合は、上の2)に該当します。

あなたの知りたいことは、その「変爻(Change)」が出ている箇所にあります!

この例では、あなたが三回目に硬貨三枚を落とした時、老陽(Old yang)「□」が出ていました。

解説ページは、スクロールすると、次のような順番で書かれています。


1.構成の解説

2.卦辞(Explanation of the Hexagram)

3.爻辞(Explanation of the Lines)


3.爻辞(Explanation of the Lines)は、三枚の硬貨を落とした順に、次のように書かれています。

◇1st 陽 初9(First9)

「彼は、暴君の迫害から逃れるため飛び去るが、傷ついた翼は長くは飛べない。賢者は逃走の旅に出る。彼は三日間食事もできない。宿に着くと、宿の主人から苦情あり。」

◇2nd 陰 62

「あなたは、暴君に虐げられて、左の腿を負傷する。助けてくれる馬が元気ならば、吉となる。」

◇3rd 陽 93

「彼は、暴君に虐げられているが、狩りをするふりをして南に兵を挙げ、暴君の首を切り落とすだろう。ただし彼は焦って行動しないように心がけるべきである。」

◇4th 陰 64

「彼は、迫害する暴君の左の腹に入り、暴君の側近となる。家を出て暴君のもとに仕える。」

◇ 5th 陰 65

「あなたは、箕子(Jizi)が聡明さを隠すことで難を逃れたようにすべきである。智慧を隠したとしても、内心では聡明さを失わない生き方が重要。」

◇6th 陰 上6(Upper6)

「彼は、聡明さのかけらもなく、暗黒の夜のように真っ暗な暴君である。彼は最初は天に登るような権勢だが、最終的には地に入って滅亡するだろう。」

この例では、あなたが三回目に硬貨三枚を落としたときが変爻(Change)なので、「◇3rd 陽 93」があなたに対する易経からの回答です。

◇3rd 陽 93

「彼は、暴君に虐げられているが、狩りをするふりをして南に兵を挙げ、暴君の首を切り落とすだろう。ただし彼は焦って行動しないように心がけるべきである。」

さらに詳細な解説が施されていますので、これと併せて読んでみてください。


変爻(Change)は、出ない場合もあります。

変爻(Change)が出ていない場合は、


1)老陽(Old yang)「□」、老陰(Old Yin)「×」が出ていない場合は、卦辞(Explanation of the Hexagram)を読んで判断する。


のケースにあたります。


さて、問題なのは、次のような場合です。

「・・・私は変爻(Change)が三つ出てるんですけど、これはどうするんですか?」

この場合は、


3)老陽(Old yang)「□」、老陰(Old Yin)「×」が複数個所出ている場合は、占いは最初からやり直し。


その場合は・・・易経占いを最初からもう一度やり直してください!

変爻(Change)は、確率論では一個だけ出るか、まったく出ないというのが通常です。


変爻(Change)が二つ以上出ている場合は、


・占い手が、問う内容を絞り切れていない。

・占い手が集中できていない。

・占う論点がずれている。


といったことが考えられます。

「変爻(Change)が複数の場合は、卦辞(かじ=Explanation of the Hexagram)で判断する」と考える占い師もいます。

ですが、どうも不適切な場合が多いと私は経験上考えます。

なので変爻(Change)が二つ以上出ている場合は、コーヒーでも飲んで、頭を整理し、易経占いをもう一度最初からやり直していただくのがよろしいと思います。

さて、易経の占い方はこれだけです!


易経占いは占星術ほど複雑ではありません。

なので、悩みや自分への疑問、困った状況にあるときは、一人で静かになれる時間を見つけて、ぜひ易経占いをしてみてください!

次回の「易経占い入門講座 その3 読解カンタン解説!原則編!」では、易経の解説の読み方における基本的原則を、もう少し具体的に解説してみたいと思っております。

また次回!



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